2011年4月13日0時0分
宮城県警が、東日本大震災による犠牲者の遺体を取り違えて遺族に引き渡していたことが12日、分かった。複数の遺族が手術痕などを根拠に親族の男性(当時78)と判断したが、別人だった。
県警によると、当初引き渡した遺体は同県山元町の海岸に近い雑木林で見つかった。所持品はなかった。遺体安置所を訪れた複数の遺族が3月17日、腹部にあった手術の痕や身長などの特徴が似ていることから、行方を捜していた同町に住む親族の男性の遺体と判断し、県警が引き渡した。
ところが後日、この男性名義の会員証を持ち、腹部に手術痕があるなど体の特徴が似た別の遺体が見つかった。県警は遺族に同月25日に連絡し、DNA鑑定した結果、後日見つかった遺体が遺族が捜していた男性だったと判明したという。
最初に引き渡した遺体は火葬されていたため、県警は返却された遺骨を保管、身元の特定を進めている。
県警によると、今回の震災の犠牲者は、津波に巻き込まれて損傷しているうえ、所持品のない場合もあり、身元の確認が難しくなっているという。