2011年4月12日20時54分
海江田万里経済産業相は12日の記者会見で、原子力発電所に関する国の耐震設計指針が津波に対して甘かったのではとの質問に対して、「全くその通りだと思う」と述べ、備えが十分でなかったことを認めた。
原発を地震や津波から守る対策は国の耐震指針に基づく。2006年に改定された今の指針で初めて津波対策をとるよう明記されたが、「(原発の)安全機能が重大な影響を受けないように考慮する」などと抽象的に触れているだけだ。
東京電力が福島第一原発で想定した津波の高さは5.7メートル。だが、今回の震災による津波は14メートル以上だった。このため海江田氏は3月末、津波による電源喪失などに備え、全国の原発に対して電源車を配備することなどを盛り込んだ緊急安全対策を指示していた。
海江田氏は会見で「(原発の)基本的設計を含め考え直さないといけない。二重三重の備えは津波を念頭におかねばいけない」と述べ、指針を見直す考えを示した。