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〈一人じゃないよ〉はい上がる姿を見せる マラソン・佐藤敦之さん

2011年4月12日11時2分

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写真:佐藤敦之さん拡大佐藤敦之さん

 福島県会津坂下町に生まれ、壊滅的被害を受けた南相馬市に小学6年生まで住んでいました。4年生の時に走った地元の健康マラソンが人生の初優勝です。小さな金メダルをもらったその大会が陸上選手を志すきっかけでした。

 土木関係の地方公務員を定年退職した父は、堤防補修に携わっていた。ひとごとじゃない。自分につながっていると思えます。

 所属する中国電力は広島市にあり、他競技の選手たちと街頭募金を呼びかけました。でも、今、自分たちはただ頭を下げるだけでいいのか、アスリートとは何かと自問自答しています。

 この惨事で優先すべきはまず命と安全、衣食住。スポーツの順番は下になると思えましたが、そうでもないとも考えます。アスリートには人並み外れた技術がある。勝つか負けるかの瀬戸際で表現されるものが、困難を乗り越える方々にも糧になると信じています。

 北京五輪マラソンでは最下位と、やってはいけないことをしてしまいましたが、もう一度はい上がり、ロンドン五輪で勝負するつもりです。戊辰戦争で敗れた会津の人が「生き恥をさらしてでも、賊軍の汚名を晴らす」と誓ったように。

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