2011年4月11日23時20分
東日本大震災で親を亡くした遺児を支援するため、あしなが育英会(東京都)は11日、仙台市に東北事務所を開いた。阪神大震災で母を亡くした大学3年の福井友利さん(21)が訪れ、「1人じゃなく、仲間がいると感じてもらうことが大切」と呼びかけた。
1カ月前に震災があった午後2時46分に合わせて開所。育英会の職員や、東北地方で会の奨学金を受けている学生ら約45人が黙祷(もくとう)を捧げた。
職員3人が常駐し、宮城、岩手、福島3県の避難所や役所で、遺児への「特別一時金」などの支援制度を伝える。2年以内に心のケアをする施設「東北レインボーハウス(仮称)」を開く予定で、5月にボランティアの養成を始める。
開所にあたって福井さんは「阪神大震災からともに生きてくださった方がいたように、今度は私たちが東北の方々と生きていきます」と語った。
今回の震災での遺児とみられる特別一時金の申請者は、11日正午までに252人に上っている。問い合わせはフリーダイヤル0120・77・8565。(篠健一郎)