2011年4月11日22時19分
「東京金融市場が閉鎖される」「日本銀行がコンピューターセンターを大阪に移す」。日銀の白川方明(まさあき)総裁は11日の講演で、東日本大震災の直後に市場でデマが流れたことを紹介した。
震災直後、一部の外国金融機関の間で市場閉鎖などの話が出回り、「信じられないことだが、根拠のないうわさがささやかれた」という。デマを打ち消したのは「金融インフラが正常に機能することへの信認や信頼の維持」。金融不安を起こさないため、金融取引や決済が正常に動き続けることが重要だと指摘した。
日銀も大量の資金供給や追加金融緩和で市場の不安を和らげた。白川総裁は「市場の安心感の醸成に寄与した」と振り返った。(山本知弘)