2011年4月11日21時9分
東京電力の清水正孝社長が11日、福島県を訪れた。福島第一原発の事故後、同県を公式に訪れるのは初めて。東電によると、佐藤雄平知事に面会を求めたが拒まれ、東日本大震災が起きた午後2時46分には、県庁の廊下で東電の社員と黙祷(もくとう)し、犠牲者を悼んだ。
清水社長は、原発事故の対応のため県庁に設けられた「オフサイトセンター」を訪問。「福島県民の方々には、地震、津波に加え、原子力の事故によって心身ともに大変なご苦労を掛けていることを申し訳なく思っております」と謝罪した。記者会見では、「創業以来の危機的な状況。一日も早い収束に向け、最大限の努力をしていきたい」と説明。事故後初めて県庁に出向いたことについて「本来なら、しっかりとおわびすべきだった」などと述べた。被災者への謝罪には改めて訪れるという。
事故で大きな被害を受けた福島第一原発1〜4号機については「廃炉やむなしとの考えを持っている」と表明。同5〜6号機と福島第二原発の今後は「コメントできる段階でない」と述べた。自身の進退についても明言を避けた。
一方、佐藤知事はその後の記者会見で「謝罪に来たことすら知らない」と話した。