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「被災地にポスター届けて」高校生の声、アイドル動かす

2011年4月11日13時52分

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写真:避難所で物資の仕分けを手伝う佐藤翔さん(中央)=岩手県大槌町立安渡小、疋田写す拡大避難所で物資の仕分けを手伝う佐藤翔さん(中央)=岩手県大槌町立安渡小、疋田写す

写真:チャリティーライブで観客を前に歌う黒崎真音さん=10日、東京・秋葉原、田村写す拡大チャリティーライブで観客を前に歌う黒崎真音さん=10日、東京・秋葉原、田村写す

写真:チャリティーライブで歌う黒崎真音さん=10日、東京・秋葉原、田村写す拡大チャリティーライブで歌う黒崎真音さん=10日、東京・秋葉原、田村写す

 東京・秋葉原。被災した岩手県の高校生のひと言がきっかけで、10日、チャリティーライブが実現した。

 「私のポスターがほしいと言ってくれた被災地の高校生がいるんです」「笑顔の写真を見て、少しでも力になりたいと思ったんです」。冒頭、120人の観客を前にアニメソングシンガーの黒崎真音(まおん)さんが話すと、拍手がわき起こった。

 大槌町に住む釜石商工高3年の佐藤翔(しょう)さん(17)。3月28日付朝日新聞朝刊の「いま伝えたい 被災者の声」欄に写真付きで掲載された。「黒崎真音さんのブログを毎日チェックしている。避難所だと電波が届かないから、線路を伝って届くとこまで歩いてる。サイン入りポスターがほしい」

 記事を読んだ黒崎さんは佐藤さんにポスターを送り、さらにチャリティーライブを開くことを決めた。

     ◇

 佐藤さんは津波で自宅を流され、祖父の八郎さん(72)を亡くした。隣の釜石市の工場にパートに出ていた母の加奈絵さん(41)も当初は安否がわからなかった。震災3日目の朝、佐藤さんが線路沿いを歩いて捜しに行き、再会した。

 津波のときも黒崎さんの初回限定版アルバムとDVDを持って逃げたほどの大ファン。自らのひと言が、あこがれの歌手を動かしたことに「こんなことがあるんだ」と小躍りした。今は避難所で物資の仕分けを手伝いながら、14日の高校再開を待つ。

 一方の黒崎さん。

 「大震災のあと、自分に何ができるかわからなかった。でも、(紙面で見た)彼の笑顔が行動する勇気をくれた」。歌手仲間3人で開いた約1時間のライブ。黒崎さんは腕を高く掲げ、ステージ上を跳びはねながら、3曲を歌い上げた。

 集まった募金は約30万円。黒崎さんの所属事務所は、佐藤さんがいる避難所に乾燥機付きの洗濯機を贈ることを考えている。(疋田多揚、田村剛)

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