2011年4月10日3時3分
震災後から近くの学校の体育館に避難していた被災者の引っ越しが9日、仙台市であった。新学期が始まるのを前に、校舎や体育館をあける必要があるためだ。「せっかく慣れたところなのに」と避難者の表情に疲れもにじんだ。
同市では、市内五つの小中学校・高校に身を寄せていた約200人が、宮城野区の宮城野体育館へ引っ越しをした。陸上自衛隊が荷物運びを手伝った。
仙台工業高校にいた直井幸江さん(44)は、津波で家を失った。「いつ仮設住宅に移れるのか。失ったものが大きいだけに、避難所生活が耐えられるだけの希望がほしい」と話した。
市によると、8日現在で市内には小中学校を中心に46カ所の避難所があり、計3165人が避難生活を送っている。仮設住宅の建設に時間がかかっている一方で、学校の新学期が始まるため、避難所を30〜35カ所程度に集約していくという。(斉藤佑介)