2011年4月9日18時43分
東日本大震災の津波で流失した宮城、岩手両県の4市町の戸籍データが、今月中に再製される見通しになった。江田五月法相が9日、宮城県気仙沼市を視察し、記者団に明らかにした。データが再製されれば、4市町の戸籍の窓口業務は正常化する。
戸籍データが流失したのは岩手県の陸前高田市と大槌町、宮城県の南三陸町と女川町の4市町で、戸籍数は計約3万8千件。いずれも庁舎が津波に襲われ、戸籍謄本が散逸した。
江田法相は「(法務局に)残っているものだけで再製するので完璧というわけにはいかないが、今月中には終える」と語った。4市町を管轄する各法務局に複写されたデータが残っており、震災後から法務省が再製に取り組んでいた。
ただ、法務局が保管していたのは昨年分の複写データで、複写以降に追加された婚姻、出生などは反映されていない。4市町の一部では出生届などの書類が残っており、その分は再製データに反映させる。それでも足りない分は、業務再開後に4市町が住民に自己申告を呼びかける方向だ。(鈴木拓也)