2011年4月9日15時55分
人気漫画家らが、東日本大震災の被災者に向けて応援メッセージを寄せている。宇都宮市のオリオン通りで5月下旬に開かれる「デジタルまんが甲子園」の会場とネットオークションで販売し、義援金として被災地に贈る考えだ。
「あしたのジョー」の作者で、同市の文星芸術大教授も務めているちばてつやさんが、「漫画で何かできることはないだろうか」と提案。同大マンガ専攻専任講師の田中誠一さんがインターネットで呼びかけた。
これまでに約50人の漫画家が賛同、100点以上が寄せられた。「デジタルまんが甲子園」を主催する小学館集英社プロダクションや同大によると、「めぞん一刻」「犬夜叉(いぬやしゃ)」の高橋留美子さん、「ルパン3世」のモンキーパンチさん、「キン肉マン」のゆでたまごさんらも参加。さらに増えそうだという。寄せられたのは色紙やポストカードに作品の主人公の絵と作者のサインを記したものや、Tシャツ、名刺など。すべて震災後に書かれたものだという。
ちばさんは、津波が押し寄せた宮城県石巻市に縁がある。漫画家仲間だった故石ノ森章太郎さんの足跡を紹介した「石ノ森萬画館」が同市にあり、展示するイラストを描いたり、デザインを考えたりと創設にかかわった。職員とは今も付き合いがあり、震災後、無事を確認したという。
自らも色紙を描いたちばさんは「今はつらくて大変だと思うが、立ち直れる日が来る。頑張ってほしい」と話し、「ぼくも節電して、このエネルギーが被災地に行くよう努力します」と語った。
デジタルまんが甲子園のホームページは、http://www.dreamtribe.jp/digiman/(緒方雄大)