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こんな時だから、花見 陸前高田で被災者らが計画

2011年4月9日15時38分

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写真:避難所となっている寺の境内に立つ桜の木。眼下には倒壊した家屋が続いている=7日午後、岩手県陸前高田市、森井英二郎撮影拡大避難所となっている寺の境内に立つ桜の木。眼下には倒壊した家屋が続いている=7日午後、岩手県陸前高田市、森井英二郎撮影

 津波で市街地が壊滅的な被害を受けた岩手県陸前高田市で、お花見の企画が持ち上がっている。発起人は避難所で暮らす被災者たちだ。「復興の第一歩にしたい」。がれきが散乱する街を見下ろせる避難所で、住民たちは桜が咲く日を待ち望んでいる。

 同市気仙町の成田山にある避難所は、急勾配の六十数段の石段を上るとたどりつく。寺の境内にブルーシートを屋根代わりにして約10人の被災者が暮らす。その周りには数十本の桜が街を見守るように並んでいる。

 同市では毎年、地元の酒造会社の敷地にある約100本の桜を一般開放した「陸前高田さくらまつり」が開かれていた。だが、酒造会社は津波で流されてしまった。

 住民代表の佐藤直志さん(77)は、被災者たちの表情や破壊された街をみていて、このままではいけない、と感じたという。「地元の小唄にも桜が名物として語られていて、桜は重要な存在。残った成田山の桜を見ながら盛り上がって、復活への力にしよう」と考えた。

 お花見は、桜の開花が予想される17日に行う予定。企画に賛同した県議やボランティア団体もインターネットやツイッターで参加を呼びかけている。当日は、郷土芸能も披露される予定で、花見企画は予想以上の盛り上がりだ。

 避難生活を送る菅野剛さん(61)も「早く日常に戻したい。そのためにも、恒例の花見を開くことは意味がある」と心待ちにしている。(杉崎慎弥)

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