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葉タバコの作付け、福島全県で断念 土壌汚染を懸念

2011年4月9日15時0分

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 福島県たばこ耕作組合は今年の葉タバコの作付けを見合わせる方針を決めた。福島第一原発事故の影響で主要産地の土壌汚染が懸念され、品質維持や数量確保が困難と判断したという。放射能汚染による全県的な作付け断念が明らかになるのは初めて。

 県内の葉タバコの主要産地は原発から半径30キロ前後の山間地。市町村別では田村市を筆頭に飯舘村もトップクラスだ。村では県による土壌調査の結果、政府が定めたイネの作付け制限基準を上回る放射性セシウムが検出されている。

 政府は葉タバコの作付けや出荷の制限を打ち出しておらず、県も一部市町村を除き農作業全般の延期要請を解除している。だが県内農家による葉タバコの苗の栽培はすでに始まっており、4〜5月に苗を畑に植えないと年内の製品化には間に合わない。組合は土壌調査の結果や原発事故の長期化が見込まれることを踏まえて作付けを断念。すでに育てた苗は処分する方針だ。

 全国たばこ耕作組合中央会によると、福島県の葉タバコの生産量は2010年、1768トンで全国7位。同県たばこ耕作組合に加盟する農家は1175戸ある。国や東京電力への補償要求について同組合は、県や全国たばこ耕作組合中央会、日本たばこ産業(JT)と連携して対応していくという。(石原剛文)

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