2011年4月9日14時57分
日本三景の一つ、宮城県の松島で、観光関連施設が再開に向けて動き始めた。復興の先導役にもなりそうだ。
国宝・瑞巌寺(ずいがんじ)は10日、拝観を再開する。参道の途中まで津波が来たが、本堂など建物に大きな被害はなかった。倒木を撤去するなどの準備を進めてきた。千葉洋一・総務課長は「地域の人々の励みになりたい」と話す。
松島湾の観光遊覧船は20日、「マリンピア松島水族館」は23日、それぞれ再開を目指す。松島町企画調整課の小松良一課長は「松島から東北、宮城県は元気だとアピールしたい」と意気込む。
観光の中核施設の再開をにらみ、周辺の土産店や飲食店なども準備に追われる。飲食店「漁師の海鮮丼」を営む佐藤貞勝さん(57)は、津波で東松島市の自宅を失った。店舗でも窓や床にこびりついたヘドロや油を取り除くのに1週間ほどかかったが、「前を見ていかないと、仕方がないもの」。人出を見て、限定メニューで営業を再開する。(松本紗知)