現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. 東日本大震災
  5. 記事

大規模余震、なお警戒必要 地殻のバランス崩れたまま

2011年4月8日23時9分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 宮城県沖で起きた7日深夜のマグニチュード(M)7.1の地震について、政府の地震調査委員会は8日、臨時会を開いて東日本大震災を引き起こした3月11日の本震(M9)の余震と認定、「今後も、規模の大きな余震が発生する恐れがある」と注意を促した。

 今回の地震は、巨大地震となりやすいプレート(岩板)境界の海溝型地震の本震と異なり、海のプレートの内部で起きた。エネルギーは本震(最大震度7)の約700分の1に過ぎないが、陸から近かったため、最大の震度6強を記録した。

 M5以上の余震は7日までに460回以上起きており、M7以上の余震は4回目。M7は「震源近くは震度6弱〜6強の可能性がある」地震だ。気象庁が6日に発表したM7以上の余震が起きる確率は3日以内に10%まで減ったが、専門家は「少なくとも半年はM7級の余震の覚悟が必要」と指摘する。

 地震調査委によると、本震によって地殻内の力のバランスが崩れており、様々な余震が続いている。梅田康弘京都大名誉教授は「本震のマグニチュードから1引いたM8ぐらいの余震もあり得る」と指摘する。

 国土地理院の観測では、現在も東北から首都圏にかけて、大地震のあとに起きる「余効変動」と呼ばれる現象が続き、地殻変動が依然として激しいことを示している。

 余震域の外も気が抜けない。本震以降、東日本を中心に次々に地震が起きている。3月12日には長野県北部でM6.7(最大震度6強)、秋田沖でM6.4(同4)、同15日夜には静岡県東部でM6.4(同6強)の地震があった。島崎邦彦東京大名誉教授は「大震災の影響で各地で地震活動が活発化しており、これからも誘発地震は続く」と見ている。

 過去には、1944年の東南海地震(M7.9)の直後に三河地震(M6.8)、46年の南海地震(M8)の2年後に福井地震(M7.1)が起きた。地震調査委の阿部勝征委員長(東京大名誉教授)も「海溝で巨大地震が起きる前後には、内陸で被害が出る地震が起きやすい傾向にある」と話す。

 さらに気がかりなのが、巨大地震の再来。海溝型地震では本震に隣接する地域で、同規模の地震が起きることが珍しくない。

 44年と46年の東南海と南海地震、2004年12月のスマトラ沖地震(M9.1)でも約3カ月後にM8.6の地震が起きている。

検索フォーム

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

東日本大震災アーカイブ

グーグルアースで見る被災者の証言

個人としての思いと、かつてない規模の震災被害、その両方を同時に伝えます(無料でご覧いただけます)

プロメテウスの罠

明かされなかった福島原発事故の真実

福島第一原発の破綻を背景に、政府、官僚、東京電力、そして住民それぞれに迫った、記者たちの真実のリポート

検索

亡くなられた方々

| 記事一覧