2011年4月8日18時46分
県内で震度6強を観測した7日深夜の地震は、東日本大震災からの復興の動きに水を差した。停電で道路や医療機関などが混乱し、JR東日本も8日の終日、県内での運転を見合わせた。都市ガスの供給再開が遅れている仙台市では、開栓作業が延期された。
■電気
東北電力によると、8日午後4時現在、県内で51万戸が停電している。今回の地震で自動停止した東北各地の火力発電所は運転を再開しており、送電線などの安全を確認しながら、送電を再開している。
停電で信号が止まったほか、一時津波警報が発令されたこともあり、各地の道路で渋滞が起きた。
■ガス
3月の震災後、都市ガスの供給再開が遅れている仙台市。市ガス局は、8日に予定していたガス開栓作業を9日以降に延期した。7日の地震に伴うガス漏れを調べるためだ。また、7日の地震発生前に供給を再開していた地域の一部(5643戸)では、再び供給を止めた。一方、塩釜ガスは8日に七ケ浜町などで予定通り開栓作業を行った。
■交通
県内のJRは8日、7日の地震に伴う安全確認のため、終日運転を見合わせた。宮城交通の高速バスは、東北道など高速道路が地震で通行止めになったことから、仙台―青森など9路線で運休した。
■手術中止
水漏れや停電で手術できなくなった病院もあった。東北労災病院(仙台市)では、手術室の上階にある機械設備室から水が漏れ、8日以降の手術を中止した。
同病院の手術の件数は毎月平均300件。3月の震災でも同様の水漏れで手術を中止したが、稼働できる手術室は2室、4室と増えていた。11日からは8室すべてで手術を予定していたが、振り出しに戻った。
■学校
県内の学校では、8日の行事が急きょ延期・中止された。入学式と始業式を予定していた女川町の小中学校は無期延期を決定。築館高は予備登校日を14日に、仙台二華中高は12日に延期した。古川黎明中高は離任式を中止したが、中学の卒業式は予定通り行われた。仙台市も、複数の学校で入学式や始業式を延期する。
■運転免許
県警は8日、県運転免許センター(仙台市泉区)など4施設の運転免許業務を全面停止した。復旧の見通しは立っていない。7日深夜の地震でコンピューターなどが壊れたため。気仙沼、南三陸の両地域の避難所などで予定していた運転免許証再交付も停止する。