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福島第一、復旧作業遅れる見込み 余震の被害確認急ぐ

2011年4月8日12時48分

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図:各原子力施設への影響一覧拡大各原子力施設への影響一覧

 今回の余震で、東北地方や茨城県にある原発や核燃料貯蔵プールに異常は確認されていない。

 東京電力によると、深刻な事態が続く福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)では、作業員が退避して復旧作業が一時中断したが、8日朝現在、新たな被害は確認されていない。

 地震発生時、2号機の取水口近くで作業員13人が放射能汚染水の流出を防ぐ作業に当たっていた。1、2号機の中央制御室にも2人がいたが、津波注意報を受けて、いずれも高台にある免震重要棟に戻って無事だった。5、6号機の制御室にも19人がいたが、けが人はなかった。

 1〜3号機の原子炉への注水は続いており、炉内の状況にも変化は見つかっていない。1号機の格納容器に水素爆発を未然に防ぐための窒素注入も継続している。坑道のたまり水は、水位がやや上昇しているが、異常は見られないという。ただ、8日朝も地震の被害確認に追われるなど、復旧作業は遅れる見込みだ。

 気象庁によると、同原発のある双葉町では震度5弱の揺れを記録した。

 原子炉が冷温停止している福島第二原発(同県楢葉町、富岡町)にも新たな異常は見つかっていないという。

 東北電力によると、女川原発(宮城県女川町、石巻市)では、3月11日の東日本大震災で1〜3号機がいずれも停止中だった。今回の余震で、送電線によって外部から送られている稼働中の4回線の電源のうち3回線が遮断され、残る1回線で1〜3号機の原子炉の冷却を続けている。

 各号機の使用済み核燃料貯蔵プールでは、地震の揺れで冷却装置が自動停止したが、すぐに再起動した。プールの水があふれたり、原子炉建屋で水漏れが生じたりしているのが見つかったが、周囲の放射線の値に変化はみられない。

 東北電力の東通原発(青森県東通村)では、稼働中の外部電源2回線がいずれも遮断された。一時的に非常用ディーゼル発電機に切り替わったが、8日午前3時半に外部電源が復旧、使用済み核燃料貯蔵プールの冷却を続けている。同原発は東日本大震災の当時、定期検査中で、原子炉に燃料棒はない。

 日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)でも、外部からの電源供給が途絶え、非常用ディーゼル発電機で、使用済み燃料貯蔵プールの冷却を続けている。同日中にも電源は復旧する見込みという。

 プールには使用済み燃料棒集合体が1万1千体余り保管されているが、いずれも取り出してから年月が経過しており、同社では「発熱量はそれほど大きくない」としている。

 東日本大震災以来、原子炉が停止している日本原電の東海第二原発(茨城県東海村)では、外部電源に特に影響はなかった。

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