2011年4月7日15時4分
宮城県石巻市の広場「上釜ふれあい広場」で7日午前、仮埋葬が始まった。元々はサッカーコートや野球場だったが、約1千体を埋葬できる墓地に急きょ造り替えられた。
被災地では遺体の火葬が追いつかないため、各自治体が仮埋葬を始めている。この広場は約2ヘクタールの敷地のほとんどを使い、深さ約1.5メートルの穴を21列掘った。
午前10時、ワゴン車からひつぎが運び出され、順に穴の中に置かれた。「○番の方」などと遺体の番号だけが読み上げられ、遺族らがひつぎに手を合わせて花を手向けていた。この日は仮埋葬の同意を得られた37体が運び込まれる。野球場跡にはスコアボードや一塁側、三塁側ベンチが残されていた。
市によると、広い平地を確保するのが難しく、やむを得ずこの場所を選んだという。市生活環境部は「市民の楽しみのための施設を潰したくなかったが、仮埋葬を優先せざるを得なかった」。同市ではこれまで約2500人の死亡が確認され、約2800人が行方不明になっている。