2011年4月5日14時5分
被災者のために、心あたたまることが何かできないか。そう考えて動き始めた芸術家たちがいる。
アーティストの日比野克彦さん(52)は、ハートマークをあしらった正方形の布を全国から集め、縫い合わせて被災地に届ける「ハートマークビューイング」を始めた。
現地で子どもたちとタペストリーに仕上げ、避難所や仮設住宅に飾る予定だ。サイト(http://heartmarkviewing.jp/)で参加方法を案内している。
日比野さんは新潟県中越地震の時には画材を持って避難所を回り、元気づける活動をした。「被災地と被災地でない人々との思いをつなぎたい。つながった思いを形にしたもので、ほっとできる空間ができたら」
東京都千代田区が設けた芸術の拠点「3331 アーツ千代田」では2、3両日に全国から約80人のアーティストが集まり、作品のチャリティー販売などをしながら、自分たちにできることを考えた。
被災地の福島県いわき市から駆けつけた美術家の藤城光(ひかり)さんは、放射能におびえる人々に役立つものをつくれないか、模索している。これからネットでアイデアを募る予定だ。
「福島では放射能を恐れ、窓を閉め切ったり、子どもにカッパを着せたりしている。震災で一変した生活を伝えると同時に、役立つ考えを形にしたい」(宮坂麻子)