2011年3月29日23時7分
農林水産省は29日、東日本大震災による津波で浸水被害を受けた田畑が、青森から千葉にかけての太平洋岸6県で2万3600ヘクタールに達するとの調査結果を発表した。農水省は岩手、宮城、福島の3県の被害が約2万ヘクタールに達するとの見通しを示していたが、衛星写真や現地調査の新たな情報を加えて再集計した。
県別、市町村別の詳細な推計値も初めて公表した。宮城県の被害面積は1万5千ヘクタールで県別で最も大きかった。同県七ケ浜町は93%の農地が被害を受けた。また、宮城県の9市町、岩手県の2市で被害面積が農地の4割以上にのぼるなど、深刻な実態が次第に明らかになってきた。
今回の集計は、地割れや液状化、各地で見つかっている水路など農業用施設の被害は含まれていない。放射性物質による土壌汚染も心配されており、今年の作付けに大きな影響が出るのは確実だ。