2011年3月29日6時30分
九州から被災地へ、助け合いの輪がつながる。宮崎県で昨年発生した口蹄疫(こうていえき)で、家畜の殺処分に追い込まれた同県川南町の酪農家、弥永(やなが)睦雄さん(49)が26日、宮城県南三陸町の避難所に布団や下着を届けた。トラックで24時間かけてやってきた。
知人の酪農家の案内で、町民約1500人が身を寄せるベイサイドアリーナに向かった。跡形もなくなった町を見た弥永さんは「悲惨な光景っちゃあねえ。これからどうなるんだろうか」と言葉を失った。
積んできたのは毛布や布団のほか、下着400人分、カセットコンロ、白菜、牛乳、水など。口蹄疫被害を受けた畜産農家や自身のブログを見た人たちが寄付してくれた。弥永さんは「口蹄疫で苦しんでいたとき、全国から義援金や励ましの言葉を頂いた。少しでも支援の足しになれば、と思ってね」と話した。
町職員で物資受け入れを担当する氏家(うじいえ)浩文さん(46)は「遠い所からわざわざ来てくれた。避難生活はいつまで続くかわからず、物品は継続的に必要。とてもありがたいですね」と話した。(飯島健太)