2011年3月28日21時55分
厚生労働省は28日、東日本大震災の被災地でがれきの撤去作業をする際には、アスベスト(石綿)を含む粉じん対策のため作業員に防じんマスクを着用させるよう、建設業関係の8団体に要請した。同省がメーカーから無償提供されたマスクを岩手や宮城など6県の建設事業主に配る。
労働安全衛生法が定める粉じん対策では、屋外での作業にマスク着用は求めていない。だが今回は、津波で建物が倒壊したり、流されたりして、がれきに石綿が含まれているのかどうかわからない状態だ。厚労省の担当者は「防じんマスクをした上で、作業前には粉じんが舞わないよう、がれきなどを水で湿らせた方がいい」と話す。
厚労省は環境省とともに、近く、被災地で石綿が飛散していないか確かめる調査にも乗り出す。石綿が全面禁止になった2006年までに建てられた建物には建材として使われている可能性がある。解体時には大気汚染防止法に基づいて事前に都道府県への届け出が必要だが、災害時は事後でも認められる。