2011年3月26日8時47分
東日本大震災で電力供給がままならない被災地に明かりを届けようと、企業が太陽光を動力にした照明器具を次々に送っている。
三井物産は震災後、太陽電池で起こした電気を充電池にため、LED照明を光らせる「ソーラーランタン」4千セットを三洋電機から購入。約1千人の遺体が発見された宮城県南三陸町に送った。19日に現地に届き、避難所になっている小学校や公民館など6カ所に配られたという。
三洋はパナソニックグループの支援の一部として、ソーラーランタン4千セットを順次被災地に送っている。うち2600セットは、照明のほかに携帯電話の充電器の電源としても使えるタイプという。
カネカも照明や充電器の電源に使ってほしいとして、太陽電池に充電池とACコンセントを組み合わせたシステム100セットを被災地に送ることを決めた。シャープと新神戸電機も似たシステム250セットを送っている。
一方、パナソニックは、同社製の単3形乾電池「エボルタ」3本で70時間の連続点灯ができる長寿命のLEDランタン「BF―AL01K―W」を新たに開発し、5月21日に売り出す。屋内外での利用を想定している。
幅46ミリ、奥行き46ミリ、高さ95ミリと片手に収まり、持ち歩きながら使える。品薄が続くエボルタが付属品で、前方50センチ先まで照らせる。本体にはひもが付き、テント上部などにつることもできる。店頭想定価格は税込み1600円。(榊原謙)