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福島第一原発5号機に外部電源、本格的冷却始まる

2011年3月21日20時27分

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 東日本大震災で被災した東京電力福島第一原子力発電所(福島県大熊町、双葉町)で21日、外部電源から5号機への電力供給が再開され、原子炉の本格的な冷却が始まった。2号機でも、電力供給を目前に控え、部品の交換作業などが続いた。自衛隊などの放水による使用済み核燃料貯蔵プールへの注水が続くなか、原子炉本体の危機回避に向けた作業が進んでいる。

 東電や経済産業省原子力安全・保安院によると、5号機は送電線からのケーブル敷設が終わり、21日午前11時36分、非常用電源から外部電源へ切り替えられ、午後1時前にポンプを動かし始めた。原子炉と燃料プールの冷却について、外部電力の供給が始まったのは福島第一原発1〜6号機のなかで初めて。

 5号機は地震の際には停止中だったが、非常用電源が十分でなく、燃料の余熱で温度が少しずつ上昇していた。

 隣接する6号機も、ケーブルの敷設が終わっており、東電は23日までに外部電力の供給開始を目指す。5、6号機の原子炉は20日、原子炉の温度が100度以下になる「冷温停止」の状態になっている。

 送電線から約1.5キロのケーブルで接続された2号機は、作業員が建屋内で機器の点検をした結果、原子炉や燃料プールに冷却水を供給するポンプのモーターなどで、配線がショートしているのが見つかった。交換作業が必要な部品もあり、柏崎刈羽原発(新潟県)など別の原発や業者から取り寄せるという。

 一方、原子炉を運転・監視する中央制御室では、放射性物質が室内に入るのを防ぐ空調システムや、圧力や温度を表示する計器類は問題なさそうだという。

 3、4号機では、放射線量が高い場所を避けながらケーブルを敷設した。1、2号機と同様に、まずは中央制御室や冷却にかかわる機器への通電を目指して、電気を問題なく流せるか調べている。

 3号機の原子炉建屋の南側で21日午後4時ごろ、黒っぽい煙が上がった。東電は作業員を屋内退避させ、電源の復旧や放水の作業も一時中断した。付近の放射線量や、原子炉のデータに変化はなかったという。煙が出たのは使用済み核燃料の貯蔵プールの上部とみられる。保安院は「原因はわからないが、プールでの異常とは考えにくい」としている。また、2号機で21日午後6時20分ごろ、原子炉建屋の屋上の屋根の部分で白いもや状の煙が出ているのが確認された。

 また東電は、11日に福島第一原発を襲った津波の高さは、痕跡から推定して14メートル以上あったとみられることを明らかにした。

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