2011年3月20日21時8分
関西電力の八木誠社長は20日、福島第一原発の事故を受けて、福井県内にある同社の原発の安全対策に今後、500億〜1千億円を上積みする方針を示した。同日の福井県の西川一誠知事との会談後、明らかにした。定期検査中の原発は期間を延長し、緊急点検することも表明した。
八木社長は西川知事との会談で「今回の事態は、電気事業全体にとって非常事態。安全機能の多重化や送電線の強化などの予算を最優先に確保し、安全性を徹底的に高めたい」と述べた。関電の2009年度の原子力関連への設備投資額は年間600億円程度という。
また、定期検査中で今月末にも起動予定だった高浜原発1号機と美浜原発1号機は、検査期間を2週間程度延長。緊急炉心冷却システム(ECCS)など非常用冷却機構や原子炉容器の健全性など、数年おきに実施する点検を前倒しして緊急点検する。
18日に定期検査に入ったばかりの大飯原発3号機や今後定期検査を実施する原発も同様に点検する。緊急点検は地震後、福井県が関電に要請していた。(笹川翔平)