韓国から支援続々　救助隊１０２人、宮城県に到着

　【ソウル＝牧野愛博】韓国の緊急救助隊１０２人は１４日夜、韓国空軍の輸送機などを使い、宮城県に到着した。さらに１００人規模の救助隊や水などの必要物資を送る方向で日本政府と調整している。韓国はすでに１２日、救助隊員５人と救助犬２頭を派遣していた。

　金滉植（キム・ファンシク）首相は１４日朝の閣議で「我々は昔からの隣人。困難な時に助け合うことが美徳とされてきた」と述べ、日本への支援を訴えた。国会の外交通商統一委員会は同日、日本の復旧支援を呼びかける決議を全会一致で採択した。韓国法務省は１４日、日本人の出入国手続きの一部簡略化などの特別支援措置を始めた。

　東亜日報など大手紙は１４日付朝刊の１面で日本への義援金を呼びかけた。韓国の社会福祉共同募金会は１３日、支援金５０万ドル（約４１００万円）を送ると決定。人気俳優のペ・ヨンジュンさんが１０億ウォン（約７３００万円）、人気歌手のキム・ヒョンジュンさんが１億ウォンをそれぞれ日本に寄付する考えを明らかにした。

　旧日本軍の従軍慰安婦らへの公式謝罪と補償を求め、ソウルの日本大使館前で毎週水曜に抗議集会を開いている「韓国挺身（ていしん）隊問題対策協議会」は、今週１６日は、日本の震災犠牲者を追悼する集会に変更する。

　韓国外交通商省は１３日付で、東京都や東北部などを対象に、旅行警報を出した。福島第一原子力発電所の半径３０キロ以内は４段階ある警報のうち、上から２番目の「旅行制限」とした。

　同省は１４日、東日本大震災で建設会社員の韓国人男性（４０）が茨城県の火力発電所建設現場で作業中に被災、死亡したと発表した。今回の震災で韓国人の死亡が確認されたのは初めて。宮城県など被害が大きかった地域には約１万１千人の在日韓国人が住んでおり、韓国政府が安否確認を急いでいる。