2011年3月14日19時58分
ガソリン不足が、被災地から首都圏など他地域にも広がった。震災による製油所の操業停止に加え、緊急車両への優先供給や輸送手段の欠落、消費者の買いだめ、といった要因が重なった。石油業界は、「しばらく必要最低限の給油にして欲しい」と消費者に呼びかけている。
業界関係者によると、製油所の操業停止や点検で石油製品の出荷は通常より、ざっと2割減という状況にある。東北地方では、太平洋岸の港湾施設が破壊されたことで、日本海側の油槽所からのタンクローリー輸送を図っている。輸送路は寸断され「現地まで十数時間」という状況だ。
さらに「被災地の人命救助、復興に必要な供給を最優先」(出光興産)で、一般消費者への供給にも影響している。消費者も買いだめに走りがちで、首都圏では、距離的に近い製油所の火災状況をテレビなどで見た消費者が、ガソリンスタンドに走ったとみられる。
このため、14日朝の東京都や千葉県のガソリンスタンドには給油を求める車が列をなし、在庫ゼロになる店があちこちで現れた。ただ、「輸出用の石油製品を振り向ける」(JX日鉱日石エネルギー)などの対応が始まっており、業界は沈静化に期待をかけている。