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確認中・わからない…原発爆発、保安院も東電も混乱

2011年3月13日1時13分

写真拡大福島第一原発での爆発について、慎重に言葉を選びながら会見する経産省原子力安全・保安院の職員ら=12日午後10時13分、東京・霞が関、越田省吾撮影

 爆発とともに骨組みだけになった原子炉建屋。福島第一原発で何が起きたのか。12日午後3時半に起きた爆発を巡り、国や電力会社は慌ただしく情報の確認や釈明に追われた。

 東京・内幸町の東京電力本社では、午後5時ごろ、記者たちが広報担当者を取り囲んだが、「ちょっと確認してます」と繰り返すのみ。会議室に入って10分ほど打ち合わせをした後も、「タービン建屋付近で白煙が上がった」と言った後、別の担当者が「原子炉建屋かもしれない」と翻すなど、情報の混乱ぶりが明らか。

 経済産業省原子力安全・保安院は当初、午後5時15分から記者会見を開くとしていた。しかし、開始直前になって、延期。広報担当者は「首相官邸とも調整をして、情報を集約してから会見する。非常に厳しい状況だ」。

 結局、会見が始まったのは午後6時。爆発からすでに2時間以上経っているのに詳細な情報はほとんどない。「どこで爆発が起きたのか」「状況をもっと詳しく」「原子炉は安全なのか」といった質問に応対した中村幸一郎審議官は、「確認しているところ」「情報を収集し、分析し、検討することが大切」などと、メモに目を落としながら同じ文言を繰り返すばかりだった。記者から「説明がなければ住民も安心できない」と詰め寄られた。

 午後6時前から正式な記者会見をした東京電力も情報のなさを強調した。立ったままで、説明をした原子力運営管理部の担当者らは質問に対して「確認中」を繰り返した。

 原発の現場で作業をしていた東電の関係社員ら4人は病院に運ばれ、意識はあるという。原子炉に水を入れる作業をしていたと説明した。ただ、「原子炉建屋の屋根が崩落したのはテレビで確認した」と語るなど、現場から情報が得られていない様子。作業の中身や放射性物質の拡散の状況などについては、「わかりません」「確認します」で終わった。

 午後7時半過ぎ、東電が停電に関する会見を開いたが、質問の半分は爆発の件に集中した。「原子炉建屋内部はどうなっているのか」と問われ、小森明生常務は「放射線濃度が高いので安全の確保を含めて時間がかかっている。建物の中をくまなく見るのは難しい」と苦しそうに述べた。

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