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全国の死者686人、不明642人 各地で避難者孤立

2011年3月13日0時50分

 東日本大震災は、太平洋沿岸で街がまるごと津波にのまれるなど壊滅的な被害を受けたが、安否確認が進まず、被害の全体像はつかめていない。一方で、住民の半数と連絡が取れない町もある。

 警察庁によると、地震による死者は13日午前0時現在、岩手、宮城、福島、東京など12都道県で686人、行方不明者は642人にのぼった。これとは別に、防衛省によると、岩手県陸前高田市で300〜400人の遺体が見つかったとの情報があるという。

 また、宮城県は12日、南三陸町で連絡の取れない人が約1万人いると発表した。同町の人口約1万8千人の半数以上に当たる。同町は役場や警察署、消防署が津波で大きな被害を受けており、職員らが無線で連絡を取り合って被害の把握を進めている。

 発生から一夜明けた12日、津波を避けて学校や民家の屋上などに避難したまま、取り残された人も多数確認された。

 警察庁や総務省消防庁などによると、宮城県名取市では、仙台空港のビル内に1300人が取り残された。空港周辺は泥に覆われており、消防隊員らがボートで救助を進めている。仙台市内では、若林区の荒浜小学校など市内5カ所以上で、避難した計1千人余りが孤立。一部で救出活動も始まったが、市消防局の広報担当者は「救助が終わる見通しはたっていない」と話した。

 多賀城市では堤防が決壊し、市内6地区が1〜2メートルの深さで冠水したという。多くの住民らが住宅の2階や屋根にのぼって救いを待った。気仙沼市では、浦島小学校のグラウンドに「360人、水食料なし。毛布不足」と書かれているのを海上自衛隊のヘリが確認した。避難している360人のうち、260人は小学生だという。海自が物資投下を検討している。

 岩手県では、陸前高田市の県立高田病院に入院患者ら100人が残された。重症者を優先的にヘリで救助し、12日夜までに完了した。同市内では市役所やスーパーなどの屋上でも、150人余りが救助を待った。大槌町や、山田町の大浦地区、同小谷鳥地区などで住民が孤立しているという情報がある。

 福島県新地町の相馬共同火力発電所では、周囲が冠水したために、ボイラー室のある建物に約1千人の作業員らが取り残された。けが人はいないという。南相馬市では、道路が寸断されて、小高区の塚原地区、村上地区で計170人が孤立した。同市原町区の小沢地区でも100人が取り残された。

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