現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. 東日本大震災
  5. 記事

東北ほぼ全域で停電 浄水場ストップ、ガス漏れも

2011年3月11日22時36分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 ライフラインも大きく乱れた。東北電力によると、青森、岩手、秋田県は全域で停電。宮城、山形県は、ほぼ全域で停電した。原発を含む数十の発電所で発電機が停止。社員らは余震が続く中、情報収集と対応に追われた。

 発生当時、広報・地域交流部の男性は仙台市の同社本店にいた。「経験のない激しい揺れだった」。夜も非常用発電機が動き出すまで約2時間は非常灯だけの薄暗いなかで、情報の集約を進めた。テレビも見られないので、携帯ラジオを聞いた。

 青森支店は、営業所ごとに非常災害対策本部を立ち上げた。秋田支店の担当者は「支店内は自家発電で最低限の電力を確保したが、支店では復旧に対応できず、本店の指示を待っている」と話した。

 秋田市では、停電で浄水場の運転が止まった。バックアップ用の市内5カ所の配水池から給水を始めたが、停電が続けば半日から1日で配水池の貯水がなくなり、給水停止のおそれがあるという。

 東京電力の事業エリアの関東などの1都8県でも、計約394万戸が停電した。

 NTT東日本は宮城、岩手、山形、福島、栃木、茨城の各県と東京都で通話を規制。NTTドコモによると、東北地方を中心に3070の携帯基地局でサービスが中断され、携帯電話の通話やメールの送受信ができなくなった。地中に配管がある水道やガスの事業者は被害の確認に当たろうにも、電話連絡を受けにくくなった。

 震源に近い仙台市では、水道給水管の破断についての情報が入ってきているが、担当者は「詳細はわかっていない」。水戸市内では、ガス臭い場所があるという情報があり、東部ガスの社員約10人が車で巡回に出かけた。だが、道路陥没などで、はかどらない。茨城支社の担当者は「電話が不通で、お客さんの声が入らない」といらだった。

 同社秋田支社には、秋田市内の77戸入りのマンションなどから次々にガス漏れの連絡が入った。東京ガスは、茨城県日立市を中心に最多時、同県の計約3万1千世帯のガス供給を止めた。岩手県の花巻ガスにはガス断絶情報は入ってきていないが、土中の配管が地震でずれた場所があるという。

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介