石原信雄・元内閣官房副長官
与野党は地震にどう対応すべきか。阪神大震災の当時、内閣官房副長官だった石原信雄氏に聞いた。
国会で与野党が戦っている最中に起きた国民生活の重大な危機。政治は一時休戦するのが常識だ。民主とか自民ではなく、挙国一致の体制で対応に当たってもらいたい。
阪神淡路大震災は早朝に発生したため現地から的確な情報が政府に入らなかった。官邸に専門の指揮官もいなかった。それを教訓に内閣危機管理監をつくった。今回は情報も入っているはずだ。政治は最善を尽くさなければならない。
災害時は、それまでの法体制では対応できないような問題がたくさん起きる。たとえば、個人の所有する敷地内のがれきは勝手に撤去できなかった。しかし、超法規的に判断してがれきを撤去し、道路を確保するなどした。
政治が求められることは、人命救助を最優先して柔軟に行動し、後から法的な手当てが必要な時は、与野党協議で対応することだ。自民党は当時は与党として苦労したはず。そのときの経験を生かし、国民本位で行動してもらいたい。