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アップルの新製品「iPad 2」「MacBook Pro」をチェック(1/3ページ)

2011年3月10日

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写真:画像1:3月25日発売予定の「iPad 2」(価格未定)。カラーは白と黒の2種類に増えた。画像は、後述する「Smart Cover」を装着した状態。アメリカでは、11日から499ドルで発売予定拡大画像1:3月25日発売予定の「iPad 2」(価格未定)。カラーは白と黒の2種類に増えた。画像は、後述する「Smart Cover」を装着した状態。アメリカでは、11日から499ドルで発売予定

写真:画像2:新MacBook Pro。13インチ、15インチ、17インチの3サイズがある。もっとも安価な13インチモデルは10万8800円(税込み)拡大画像2:新MacBook Pro。13インチ、15インチ、17インチの3サイズがある。もっとも安価な13インチモデルは10万8800円(税込み)

写真:画像3:2日(日本時間3日)、米サンフランシスコで行われた講演で「これまでに販売されたすべてのタブレット型PCを合わせた数よりも多い」と話すスティーブ・ジョブズCEO(アップルジャパン提供の発表会見のビデオから)拡大画像3:2日(日本時間3日)、米サンフランシスコで行われた講演で「これまでに販売されたすべてのタブレット型PCを合わせた数よりも多い」と話すスティーブ・ジョブズCEO(アップルジャパン提供の発表会見のビデオから)

写真:画像4:iPadに比べ33%薄型に。底面が平らになり、持ってみると数字以上に薄くなった印象を受ける拡大画像4:iPadに比べ33%薄型に。底面が平らになり、持ってみると数字以上に薄くなった印象を受ける

写真:画像5:純正の「Smart Cover」。ディスプレー部をきれいに保護できる。磁石内蔵で、ネジなどを使わずに本体にくっつく拡大画像5:純正の「Smart Cover」。ディスプレー部をきれいに保護できる。磁石内蔵で、ネジなどを使わずに本体にくっつく

写真:画像6:Smart Coverは本体の「スタンド」にもなる。机の上でタイプしたりアプリで遊んだりする時に便利だ拡大画像6:Smart Coverは本体の「スタンド」にもなる。机の上でタイプしたりアプリで遊んだりする時に便利だ

写真:画像7:新MacBook Proの本体左側面には、いくつものコネクターが。左から4つめが「Thunderbolt」コネクター。外部ディスプレー接続用の「mini Display Portコネクター」と同じ形状で、兼用になっている。マークは名前通り「稲妻」を模したものだ拡大画像7:新MacBook Proの本体左側面には、いくつものコネクターが。左から4つめが「Thunderbolt」コネクター。外部ディスプレー接続用の「mini Display Portコネクター」と同じ形状で、兼用になっている。マークは名前通り「稲妻」を模したものだ

 2月末から3月はじめにかけてアップルは、パソコンとiPadの両方で、相次いで新製品を発表しました。これらの新製品は、これまでに比べどのようなところが変化し、どのような人にお勧めなのでしょうか? 「iPad 2」(画像1)と「新MacBook Pro」(画像2)の特徴を、それぞれ見ていきましょう。(西田宗千佳)

【写真特集】薄型・軽量・カメラ付きになった新iPad (3月3日掲載)

薄くなって性能もアップ!「iPad 2」

 まず最初にiPad 2です。

 iPadが発表されたのは、おおよそ1年前のことです。2010年4月にアメリカで、5月に日本で発売されると急速に注目を集め、一躍大ヒット商品になったのは、みなさんもご存じの通り。日本での販売台数は公表されていませんが、全世界ではこれまでに1500万台のiPadが販売されたといいます。これは「これまでに販売されたすべてのタブレット型PCを合わせた数よりも多い」(スティーブ・ジョブズCEO、画像3)とアップルは主張しています。今年はこの市場を狙い、たくさんのタブレット端末が登場します。日本でも、3月にはNTTドコモから8.9型ディスプレー搭載のタブレット型スマートフォン「Optimus Pad L―06C」が、4月にはKDDIから10.1型、アンドロイド3.0搭載のタブレット端末「XOOM」が発売になります。「iPad 2」は、iPadの成功を受けて、ライバルの追撃をかわすための新製品というわけです。

 では、具体的にどこが変わったのでしょうか?

 まず目につくのは、もちろんデザインです。iPad 2は初代iPadと同じサイズ・同じ解像度のディスプレーを使っており、表面積でいえばほとんど変化はありません。今回、新たに前面のベゼルを「白」にしたモデルが登場しましたが、そのくらいでしょうか。

 ただし、側面・背面に目を向けると、iPad 2は大きく変わりました。厚みが13.4mmから8.8mmに変わり、重量も680gから609g(ともにWi−Fiモデル)と若干軽くなっています。iPadが丸みを帯びた背面であったのに対し、iPad 2は角こそ丸くなっていますが、より平坦な背面となりました。このため、数字の上では劇的に軽くなった、とはいえませんが、持ってみると従来以上に「薄い板」になったような印象を受けます(画像4)。

 次の大きな進化は「システムLSI」です。iPadでは、処理用のシステムLSIに「A4」を採用していました。これは、パソコンでいえばCPUとGPU、メモリーにあたるもので、携帯電話やデジタル家電では、それらを1つのチップにまとめたものを利用します。1つの部品でシステム全体を構成することから、こういったパーツを「システムLSI」「SoC(システム・オン・ア・チップ)」と呼びます。A4はiPhone4でも利用されている、アップルにとって主力のシステムLSIです。iPad 2ではこれが新しい「A5」に変わり、性能が大幅に向上しました。アップルはA5はA4に比べ「一般的な性能で2倍、グラフィック処理に関しては9倍」と主張しています。他方でアップルは、A4の時代と同様、システムLSIの詳しい内容は発表していないので、性能向上の根拠ははっきりしません。

 ただ、アップルジャパンが3日に行った報道陣向けのイベントで、iPad 2の実機を触ってみた感触から言えば、アップルのいう「大幅な性能向上」は事実だと感じます。

 そもそもiPadは、同じシステムLSIを使ったiPhone4よりも動作速度が速くなっています。iPad 2は、それよりさらに高速になりました。

 それがはっきりわかるのは、iPad 2で新しく搭載された「カメラ」を利用する場合です。初代iPadにはカメラがなく、テレビ電話などが利用できませんでした。モバイルでなく家庭内で使うなら、そろそろ「あって欲しい」機能といえます。

 iPhoneなどのスマートフォンでは、意外と「全画面で動画撮影」をする際、起動が遅かったり、画面書き換えが遅かったり、といった印象を持つものです。これはやはり、大きなデータを扱うための「性能」が不足しているためです。iPad 2では、特にグラフィック周りの性能が上がっているためか、起動も早くて画面の書き換えもスムーズでこういった不満が感じられません。また、ゲームなどでは、画面描画速度があがるため、同じタイトルでもより快適にプレイできるようになった印象があります。それ以外にも、全体の動作がより「キビキビ」とした感じを受けます。

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プロフィール

斎藤幾郎(さいとう・いくお)

1969年東京都生まれ。主に初心者向けのデジタル記事を執筆。朝日新聞土曜版beの「てくの生活入門」に寄稿する傍ら、日経BP社のウェブサイト日経PC Onlineにて「サイトーの[独断]場」を連載中。近著に「パソコンで困ったときに開く本」(朝日新聞出版)、「すごく使える!超グーグル術」(ソフトバンククリエイティブ)などがある。

西田宗千佳(にしだ・むねちか)

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは「電気かデータが流れるもの全般」。朝日新聞、アエラ(朝日新聞出版)、AV Watch(インプレス)などに寄稿。近著に「メイドインジャパンとiPad、どこが違う? 世界で勝てるデジタル家電」(朝日新書)、「iPad vs.キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏」(エンターブレイン)がある。

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