2011年2月25日10時30分
国際基督教大学(ICU、東京都三鷹市)は、実は3万年以上前から一等地の住宅街だった。
それを証明するのは、構内で発掘された数々の石器や縄文式土器。キャンパスの南側は川を臨む崖に接し、日当たりもよく、動植物も多かったらしく、連綿と遺跡が並ぶ。キャンパスが今より広かったころを合わせて42カ所が、「ICU構内遺跡群」と呼ばれる。同大非常勤講師の林徹さん(51)は「掘れば山ほど出てくる。まだほんの一部しかわかっていません」。
遺跡は埋め戻されていて見ることはできないが、初代学長を記念して開館した「湯浅八郎記念館」では、学内で出土した石器や土器、敷石住居を復元したものなど約600点の収蔵品を見ることができる。
例えば石器。まだ技術が低くかたちがいびつなものから、時代とともに洗練されていくまでの過程がわかる。国内では数個しか見つかっていない筒形の土偶もあり、勉強しながら楽しめる。(相関真樹子)
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湯浅八郎記念館は、午前10時から午後5時(土曜は午後4時半まで)。日祝と月曜、夏季・冬季休暇などは休館。問い合わせは同館(0422・33・3340)。湯浅博士の収蔵した民芸品などの企画展も年3回開かれる。